【保険会社提示額 → 獲得金額 → ポイント】
保険会社の当初追加提示額:約129万円(逸失利益0円)
最終追加支払額:約961万円
ポイント:「減収なし」を理由とした逸失利益0円の回答を覆し、約832万円の増額で示談成立
今回ご紹介するのは、交通事故による左肩の腱板損傷・可動域制限について後遺障害12級6号が認定された、会社役員の方の解決事例です。
ご依頼者は事故後も仕事を続け、役員報酬も減額されていませんでした。この「減収がない」という一点が、賠償交渉における最大の壁となりました。
■後遺障害12級6号を獲得
症状固定前から通院先の診断内容に疑問を感じ、弁護士からご依頼者に肩関節に詳しい病院への転院を行なっていただきました。
可動域測定の結果や後遺障害診断書の記載内容を確認。腱板損傷と可動域制限を根拠に後遺障害の申請を行いました。
その結果、無事後遺障害12級6号が認定され、まずは自賠責保険金224万円が支払われました。ここの適正な後遺障害等級を確実に獲得するところが全ての始まりです。
しかし、等級認定はゴールではなく、ここから逸失利益をめぐる交渉が本格化しました。
■受任前から「役員報酬+減収なし」を最大の争点と見抜いた
ご相談の時点で、ご依頼者が高額の役員報酬を受ける会社役員であり、事故後も報酬が減っていないことを把握していました。
会社役員の報酬には、実際の労務に対する対価だけでなく、経営者・株主としての利益配当的な性質が含まれることがあります。減収がない役員報酬の事案では、
・実際にどの程度、業務執行に関与しているか
・報酬のうち労務の対価といえる部分はどこまでか
・利益配当的な性質が強くないか
・他の従業員で代替できる業務ではないか
・報酬額が会社の規模・業績と整合しているか
といった点が、後の裁判例上、逸失利益の認定に重大な影響を与えることが分かっていました。そこで当事務所の弁護士は、ご依頼をお受けする前の段階から、これらの争点になり得る事情をご依頼者・会社の双方から確認し、将来の交渉に備えました。
保険会社から指摘を受けてから対応を始めるのではなく、争点を先読みして資料収集を進めていたことが、その後の交渉の土台になりました。
■会社役員で「減収がない」ことが大きな壁に
案の定、相手方保険会社は、事故後に現実の減収が生じていないことを理由に、当初、逸失利益を0円とする回答をしました。自賠責保険から224万円が支払われた後の追加提示額は、129万541円にとどまりました。
さらに保険会社は、社内の上席や顧問弁護士とも協議したうえで、「訴外交渉では逸失利益を認定できない」という結論まで示してきました。
数字だけを見れば、事故前も同じ報酬、事故後も同じ報酬であるから経済的損害はない、という主張が成立しやすい状況です。当事務所では、この回答をそのまま受け入れず、「なぜ減収しなかったのか」を一つずつ掘り下げることにしました。
■「痛みを抱えながら仕事の方法を変えて収入を維持していた」ことを立証
事故前後の役員報酬、会社での業務内容、役員報酬規程などの資料を確認するとともに、ご依頼者から事故後どのように仕事を続けてきたのかを詳しく伺いました。その結果、次のような事情が明らかになりました。
・症状固定後も年間50回近い通院を継続し、注射・投薬・リハビリを受けていたこと
・パソコン作業の姿勢によって左肩の痛みが強くなること
・通勤や銀行への移動で自転車を使う際にも肩に痛みが出ること
・銀行へ行く回数を減らすためネットバンキングの利用を増やしたが、その分パソコン作業が増えて肩への負担がかえって大きくなっていたこと
・高さを調整できる椅子やパソコン台を用意するなど、痛みを軽減しながら業務を続ける工夫をしていたこと
これらを踏まえ、主張の軸を「減収がない」から、「後遺障害が仕事に影響していなかったから減収しなかったのではなく、本人が仕事のやり方を変え、痛みを抱えながら従前の収入を維持していた」という構成に組み替えました。
■減収がなくても逸失利益を認めた裁判例を調査
さらに当事務所では、裁判例を調査しました。その結果、本件と同じく後遺障害12級が認定され、現実の減収がなかった事案でありながら、本人が痛みを抱えて仕事を続けていた事情等を考慮し、逸失利益を認めた岡山地方裁判所の判決を確認しました。
この裁判例では、定年までは通常(14%)より低い5%、定年後は12級の標準的な喪失率である14%という労働能力喪失率が認定されていました。
当事務所は、この裁判例と本件との共通点を整理したうえで、症状固定後も通院を継続している資料、業務上の工夫に関する説明とあわせて、保険会社へ再提案を行いました。
■「満額かゼロか」にせず、4段階の交渉案で決裁ラインを見極めた
再提案の当初請求額は約2,600万円でしたが、保険会社が逸失利益0円の姿勢を崩さなかったため、当事務所では以下の4段階の代替案をあらかじめ準備しました。
1.定年まで5%・定年後14%の労働能力喪失(裁判例に最も近い水準)
2.全期間9%の労働能力喪失
3.定年までは0%・定年後14%の労働能力喪失
4.定年までは0%・定年後9%の労働能力喪失
これは単に金額を値引きしていったものではなく、それぞれの案について「裁判例と本件事情からどこまで法的に説明できるか」を検討したうえで、保険会社の反応に応じて使い分けられるようにしたものです。
交渉が進む中で、保険会社担当者自身からも「訴訟になれば逸失利益が0円と認定されるとは考えにくい」という認識が示される一方、支払総額が1,000万円を超えると社内決裁が難しいという事情も判明しました。
そこで当事務所は、訴訟に進んだ場合の解決までの期間や結果の不確実性と、示談による早期解決の利益とを比較したうえで、第2・第3案に固執せず、約980万円の案へと交渉を進めました。最終的には慰謝料部分をわずかに調整したうえで、961万3,688円の追加支払で示談が成立しました。
■約129万円の提示から約961万円へ
自賠責保険金:224万円
保険会社の当初追加提示額(逸失利益0円):129万円
最終追加支払額:961万円
当初提示からの増額:832万円
自賠責を含む解決額:1,185万円
※治療費等として既に支払われていた金額は上記に含めていません。また、万単位以下は省略してあります。
■当事務所の弁護士がこの案件で重視したこと

本件で難しかったのは、後遺障害等級を獲得することそのものよりも、「事故後も収入が減っていない会社役員について、後遺障害による逸失利益をどのように立証するか」という点でした。
減収がない事案では、給与明細を見るだけでは後遺障害が仕事に与えている影響は分かりません。受任前から争点を見抜き、事故前後の業務内容・後遺障害によって生じている支障・仕事を続けるための本人の工夫・症状固定後の治療状況を一つずつ確認し、それらを裁判例と結び付けて説明する必要がありました。
事故後も収入が減っていないからといって、逸失利益が当然に0円になるわけではありません。後遺障害を抱えながら従前の収入を維持している方ほど、その裏側にある仕事上の負担や努力は、給与明細だけでは見えにくくなります。
給与明細や役員報酬の金額だけを見れば、「減収がない以上、損害もない」という結論になりかねません。しかし、その数字の裏側には、痛みをこらえながら業務のやり方を工夫し、通院を続け、収入を維持するために本人が積み重ねてきた努力があります。
当事務所の弁護士は、こうした事情を一度のヒアリングで済ませることなく、LINEやお電話でのやり取りを重ねながら、通院状況・業務内容・痛みが出る場面・仕事の工夫の一つひとつを丁寧に確認していきました。保険会社から厳しい回答が続いた局面でも、そこで主張を諦めるのではなく、事情に見合う裁判例を探し出し、複数の交渉案を準備したうえで、保険会社が納得できる着地点を粘り強く探り続けました。
本件では、ご依頼者の実際の働き方と事故後の工夫を詳しく確認し、類似する裁判例を探し出して保険会社へ再提案した結果、逸失利益0円を前提とした約129万円の提示から、約961万円の追加支払まで増額して解決することができました。
会社役員の方、事故後も給与や役員報酬が減っていない方であっても、後遺障害が実際の業務に与えている影響によっては、逸失利益を検討できる場合があります。「減収がないから」と諦めず、ご自身の働き方や日々の工夫について、当事務所の弁護士まで一度お聞かせください。
後遺障害等級獲得なら弁護士法人あさかぜ法律事務所へご相談ください
弁護士法人あさかぜ法律事務所では、上肢下肢各関節の機能障害について真摯に正面から取り組み、ご依頼者さまに納得いただけるよう結果の実現に力を入れております。
むちうちや骨折などの交通事故に遭った後、保険会社に保険金を請求するに際し弁護士がお手伝いをすることで、獲得する保険金の額を大きく増額することができることを実感いただけたらと思います。
まずは無料相談のお申し込みを。電話・メール・LINEでお申し込み可能です(メール・LINEは365日24時間対応)
「明確な方向性と専門的な判断が見えて安心しました」ご依頼者様の声
交通事故による後遺障害への対応 - 同様の事故に遭われた方へのアドバイス
事故直後の方には、賠償金、保険金の獲得までの道筋のご案内として、慰謝料や示談金といった言葉の意味、交通事故の賠償手続きの進め方、弁護士を委任する場合の費用などのご説明をこちらでわかりやすくお伝えしています。
早期相談で見えてくる解決への道筋

交通事故の被害に遭われた直後は、治療や仕事の両立、今後の補償など、様々な不安を抱えていらっしゃることと思います。特に後遺障害が懸念される場合、どのような準備が必要なのか、いつどのような対応をすべきなのか、明確な方向性が見えにくいものです。
当事務所では、初回相談の段階から、ご相談者さまの状況に応じた具体的な対応方針をお示しします。
医療機関の選択、必要な検査項目の確認や、リハビリテーションの確認、治療計画の提案まで、一つひとつ丁寧にアドバイスさせていただきます。
後遺障害認定に向けた準備では、症状経過の正確な記録方法から、日常生活での具体的な支障の記録まで、後の立証に必要となる情報を適切に残していくことが重要です。必要な診断書や画像検査の時期を見極め、後遺障害診断に向けた医学的根拠を適切に収集していきます。
「前の2人の弁護士さんはこれからどうなるのだろうと不安だけで、あさかぜに相談して方向性が見えて安心した」
このようなお声をいただけるのは、当事務所が初回相談の時点で、ご相談者さまの症状や状況を丁寧に確認し、必要な対応を具体的にお示しできるからです。適切な後遺障害認定を得るために必要な証拠、各種申立ての時期、想定される課題とその対応など、一つひとつの段階で何が必要かを明確にお伝えします。
被害に遭われた方それぞれの状況は異なりますが、私たちは豊富な経験と専門的な知識を活かし、ご相談者さまに最適な解決への道筋を示し、その実現に向けて全力でサポートいたします。不安や疑問をお持ちの方は、まずは相談にお越しください。
選べる予約方法、一番かんたんはスマホから。24時間いつでもお申込みいただけます。
時間が取れない、誰に相談すればいいかわからない、そんな悩みを抱えるあなたにピッタリのサービスが「事故 LINE初回無料相談」「事故 電話での初回無料相談」です。
LINE相談なら、いつでもどこでも、自分のペースで相談が可能です。
電話相談でしたら15分程度の即時のアドバイスを受けることができます。お気軽にお問い合わせください





